愛しのA10型!2代目ダットサン・バイオレットの思い出【長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:第17回】

公開 : 2026.03.25 17:05

モデルカーの数はずいぶん少ない印象

というわけで、WRCの世界で一時代を築いたA10バイオレットではありますが、僅差で年間チャンピオンマシンにはなれず、もともとがごくフツーの小型セダンであることもあり、そのモデルカーとなるとその数はずいぶん少ない印象です。

特に実車の現役時代はミニカーやプラモデルの素材として、ほとんど取り上げられることはありませんでした。もしイメージリーダー的にLZ20Bを搭載したオーバーフェンダー仕様のロードカーが市販でもされていたら、A10バイオレットに対する印象はまたガラリと異なったのでしょうが、まぁそれは好きものの妄想。

筆者の自宅にある、『ミニ・レーシング』から発売されていた1/43レジンキット。
筆者の自宅にある、『ミニ・レーシング』から発売されていた1/43レジンキット。    長尾循

ともあれ、同時期に活躍したフィアット131アバルトフォード・エスコートなどに比べるとA10バイオレットのモデルは少ない、と。そんな中、数少ないA10バイオレットのモデルカーとしてリリースされていたのが『ミニ・レーシング』というメーカーから発売されていた1/43レジンキットです。

モチーフとなったのはラウノ・アルトーネン/ケビン・ゴームリー組の手により1981年のモンテカルロ・ラリーに出場したマシンで、そのリザルトは13位というものでした。

初めてこのキットを見かけた時は「1979〜1882年のサファリ・ウイナーじゃなくて、モンテ仕様ですか……」と、ちょっと残念に感じたのですが、それでも当時はA10バイオレットのモデルカーだということだけでも貴重だと思い手に入れたのです。

近年はお馴染みのブランドからリリース

1/43のレジン製組み立てキットというものにもあまり馴染みがなく、その組み立てには難儀しましたが、それでも完成させてみれば四角いボディに角ばったオーバーフェンダーとフォグランプを備えたラリー車然とした佇まいが実にカッコいい。出来上がったミニカーは簡単な情景仕立てにして、今でも自宅の一角に飾って楽しんでいます。

A10バイオレットの活躍も今は昔。やがてWRCの日本車の活躍はスバルvs三菱、そしてトヨタと、時代と共にその主役は次々と入れ替わっていきました。その現役時代にはモデルカーに恵まれなかったA10バイオレットですが、近年になってイクソやスパークといったお馴染みのブランドから、1/43スケールのミニカーが少しずつリリースされるようになっています。

こちらはスパークから発売されている1/43。1979年のウイナーカーです。
こちらはスパークから発売されている1/43。1979年のウイナーカーです。    長尾循

中でもA10バイオレット快進撃の象徴とも言える1979年のサファリ・ラリー優勝車のモデル(スパーク製)は、つい最近手に入れたもの。個人的には、当時作ったモンテ仕様とこのサファリ優勝車、このつがいをもってバイオレットのラリーカーコレクションはひとまず完結であります。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    長尾循

    Jun Nagao

    1962年生まれ。企画室ネコ時代を知る最後の世代としてモデル・カーズとカー・マガジンの編集に携わったのち定年退職。子供の頃からの夢「クルマと模型で遊んで暮らす人生」を目指し(既に実践中か?)今なおフリーランスとして仕事に追われる日々。1985年に買ったスーパーセブンにいまだに乗り続けている進歩のない人。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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