規模がケタ違いの北京モーターショーで学んだこと(前編) 17の展示ホール、252台の新型車 野心あふれる中国車の動向【UK編集部コラム】

公開 : 2026.05.15 17:05

サブブランドが増え続ける理由

もちろん、欧米の自動車大手も数十年にわたり同様の戦略をとってきたが、ゼネラルモーターズやフォルクスワーゲン・グループ、ステランティスといった企業は、数十年かけて買収、合併、統合を繰り返しながらポートフォリオを拡大してきた。一方、中国企業は想像力と行動力を駆使して、記録的なスピードで独自のブランドファミリーを構築しようとしている。

ボルボロータスを傘下に収めたジーリー(吉利汽車)など、既存ブランドを買収した企業もある一方で、BYDのように、あらゆるニッチ市場に対応するために新たにブランドを創出している企業も少なくない。

BYDのミニバンコンセプト『オーシャンV』
BYDのミニバンコンセプト『オーシャンV』    AUTOCAR

しかし、英国から訪れた記者が、似たようなデザインの膨大な数のクルマを眺めても、どのブランドがどのセグメントを狙っているのか、正確に見極めるのは難しい。ニオ(上海蔚来汽車)、オンボ(Onvo)、ファイアフライ(蛍火虫)の関係性。ジーカー(Zeekr)とLynk & Coが狙う市場。アイト(問界)とLuxeed(智界)のプレミアム志向の違い。いずれも、車両のデザインからはほとんど手がかりが得られない。

未知のブランドも少なくない……

英国では中国ブランドの進出が続いており、特にBYD、リープモーター、ジーリー、ジェイクーといったブランドは認知度を高めつつある。しかし、それさえも単純な話ではない。

ディーパル(深藍)は中国では独立したブランドだが、英国では親会社である長安汽車のエンブレムを付けて販売されている。デンツァの英国ラインナップには、ファンチェンバオのモデルをリバッジしたものが含まれる。そして、依然として謎に包まれたブランドも存在する。ドリーミー(Dreame)やボヤ(嵐図)をご存じだろうか?

気になる方のために説明すると、ドリーミーは掃除機メーカーであり、最高出力1900ps超のセダン『Next 01』を携えて自動車事業に参入した。一方、ボヤは東風汽車の高級ブランドであり、全長5.2mのSUV『X8』を発売したばかりだ。

ロゴやモデルが曖昧なものも多く、これらのブランドをすべて特定・識別するのは困難だ。欧米車の露骨な模倣はとっくに過去のものとなった(ポルシェタイカンを彷彿とさせる電動セダンは少なからず見られる)。しかし、中国のセダン、SUV、ミニバンはどれも、見慣れた、そしてどこか画一的なデザインに収束する傾向がある。

(翻訳者注:この記事は「後編」へと続きます。)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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