小柄なフィアットからタフなランドローバーまで 米国の廃車置き場で見つけた欧州車 62選(2)【ジャンクヤード探訪記】

公開 : 2026.05.24 11:25

ボルボ・アマゾン

ボルボ・アマゾンは1956年から1970年に生産されたが、米国での発売は1959年まで待たなければならなかった。用意された3つのボディスタイルのうち、最も希少なのは、特徴的な2ピースのテールゲートを備えたステーションワゴンだ。同車の総販売台数66万7791台のうち、ステーションワゴンは7万3220台にとどまる。アマゾンの約60%は輸出され、かなりの割合が米国に流入した。

この1台は状態が極めて良く、4本のタイヤすべてにまだ空気が入っている。これもダコタ・サルベージの車両だ。

ボルボ・アマゾン
ボルボ・アマゾン

ナッシュ・メトロポリタン

アイダホ州のジムズ・ヴィンテージ・オートモーティブ(Jim’s Vintage Automotive)は、ナッシュ・メトロポリタンの代名詞とも言える存在だ。訪問中、筆者はさまざまなメトロポリタンを数台目にした。

ちなみに、ニューヨーク市警(NYPD)は右ハンドル仕様のメトロポリタンを数台保有していた。駐車違反取締官たちは駐車中の車列を通り過ぎながら、長い柄のチョークでタイヤに印をつけ、後で戻ってきてタイヤが動いていないか確認していたのだ。

ナッシュ・メトロポリタン
ナッシュ・メトロポリタン

テムズ・フレイター800

筆者は30年以上にわたり米国のジャンクヤードを探索してきたが、これまでに発見したフォード・テムズのバンはこの1台だけだ。1957年から1965年に英国で生産され、パネルバン、ピックアップトラック、ミニバスのバリエーションがあった。販売は好調で、テムズ800や輸出モデルであるテムズ・フレイターを含め、英国エセックス州ダゲナム(ロンドンのすぐ東)にあるフォード工場から18万7000台が出荷された。

このジャンクヤードの事業者であるジム・ハインズさんによると、この1台(手作りの木製バンパー付き)は現役時代にはアイダホ州で活躍していたという。取材時点ですでに英国のコレクターの関心を引いており、ジムさんは取引が成立間近だと確信していた。テムズは、フォードが展開したブランドの中でも特に知名度の低いブランドの1つで、1939年から1965年まで英国で事業を展開していた。アイダホ州のジムズ・ヴィンテージ・オートモーティブで見つけた車両だ。

テムズ・フレイター800
テムズ・フレイター800

MG MGB

米国のジャンクヤードに、かなり多くの1970年代製MGBが残っていることには、いつも驚かされる。とはいえ、通常はこの個体よりも少し状態が良いものだ。この個体の唯一の救いは、あの恐ろしいゴム製バンパーが外されていることくらいだろう。米国はMGにとって最大の市場であり、1962年から1980年の間に生産された51万2243台のMGBのうち、約29万8052台が大西洋を渡った。こちらもアイダホ州のジムズ・ヴィンテージ・オートモーティブの車両である。

MG MGB
MG MGB

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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