たった1台しか作られなかった奇抜なクルマ 33選(前編) ツインエンジンのランチアからポルシェのステーションワゴンまで

公開 : 2026.07.26 11:05

ローテックC1000(1991年)

1990年代初頭、数多くのスーパーカーが市場に投入される中、ある石油王は「他人が決して手に入れられないものを所有したい」と考え、メルセデス・ベンツにワンオフのハイパーカーの製作を依頼した。これに応え、メルセデス・ベンツはスーパーカー専門メーカーのローテック(Lotec)に高性能のマシンを考案するよう依頼し、その結果としてC1000が誕生した。

車体中央には、公称1000psを発生するメルセデス製5.6L V8ツインターボエンジンが搭載されている。この出力数値が車名の由来だ。最高速度は431km/hとされていたが、信頼できる検証を受けたことはない。しかし、レース仕様のシャシーとカーボンファイバー製のボディシェルを備えており、その名称が示唆する以上に “ハイテク” な1台だった。

ローテックC1000(1991年)
ローテックC1000(1991年)

フォード・スーパーバン3(1995年)

フォードはスーパーバンの3代目モデルを製作するにあたって、スーパーバン2をベースに、トランジットの最新エクステリアデザインへと改造した。これにより、フロント部分、ドア、そしてカラーリングがまったく新しいものとなった。しかし、エンジンは従来のものを、650psのコスワースHB F1 V8エンジンに換装し、最高速度を320km/h近くまで引き上げた。

スーパーバンは3世代にわたって製作されたが、そのうち現存しているのはこの3代目だけだ。F1用V8エンジンは高価で、メンテナンスも困難なため、1990年代に撤去されている。この車両は長年にわたり倉庫で放置されていたが、2004年にフォードのプロモーション活動のために引き出された。数年前に搭載されていたコスワースチューンの24バルブV6エンジンには、さらなるパワーを引き出すためにスーパーチャージャーが装着され、英国各地のイベントで定期的に披露されている。

フォード・スーパーバン3(1995年)
フォード・スーパーバン3(1995年)

(翻訳者注釈:この記事は「中編」へ続きます。)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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