RMサザビーズ・ドゥエミラ・ルオーテ・オークション

●2016.11.25-27 ミラノ／イタリア
RMサザビーズに限らず前代未聞といえる驚きのオークションが開かれた。イタリア語で2000輪を意味するドゥエミラ・ルオーテの名のとおり、合計2000輪のクルマとモーターサイクル、自転車など806点もの物件が用意されたオークションなのである。

 
選りすぐりの貴重なモデルを集めたものや、バーン・ファインドや要レストアの車両を集めたオークションはこれまでもあったが、スペースの関係もあり多くて100台程度の出品だった。そんなオークション界で初となる806点を集めたオークションをRMサザビーズが開いた。ミラノ・アウト・クラシカに併催され、広大なスペースを有するミラノ郊外のローにあるフィエラ・ミラノ（ミラノ展示場）を舞台に行われた。

ドゥエミラ・ルオーテの名が示すように、2000輪分の2/4輪車と自転車、車輪こそないがスピードボートなどを806アイテム集めたオークションである。内訳を記すと、4輪車が423台、2輪車が152台、自転車が66台、ボートが55隻となる。単純計算では2128輪となり看板に偽りはなかった。まさにギネス記録級のオークションといえる。このほかエンジンやボディパーツやオートモビリアも用意された。

そのラインナップを見てゆくと、当然のことながらイタリア車が多いが、イタリアで人気のあるポルシェやジャガーも数多く用意された。いつものオークションのようなミントの物件は一部だけで、使い込まれたクルマやレストア途中、あるいは要レストア状態のクルマが多いのが特徴といえる。

またイタリアというお国柄からフォーミュラ・マシンからコンペティション・ヴァージョンやラリー・ヴァージョンなどのレーシング・モデルの出品も多く、かつてのワークスカーが平然と並べられていた。

写真の背景やライセンス・プレートを見てお分かりのように、北イタリアのスペシャル・ショップやレーシング・ガレージから、オークションに向けて車両をかき集めてきたようだ。それもショップのガレージの隅で長らく寝ていたコンディションのものや、レストア途中のものが多く見られ、中には朽ち果てて前半分しか残っていないアルファ・ロメオ6C 2500までが並んだ。

ここで高額で落札されたのは極上車で、最高額を記録したのはフェラーリ 275GTB/6C アロイの341.6万ユーロ／4億0992万円で、久しぶりに高額で落札された。これに続いたのはあまり出てこないマセラティMC12の302.4万ユーロ／3億6288万円で、以下フェラーリ F40（103.04万ユーロ／1億2365万円）、ポルシェ 959 コンフォート（100.8万ユーロ／1億2096万円）、フェラーリ 365GTB/4 デイトナ（87.36万ユーロ／1億0484万円）とおなじみの顔ぶれが続くが、ここにランチア LC2 グループC（85.12万ユーロ／1億0215万円）が入るのがこのオークションらしい。全体に高めで落札されており、春頃は110円程度だったユーロが現在は120円前後にあるため、日本円に換算するとちょっと高めになってしまった。

ここに並んだクルマ達は、見る者によって価値観が大きく変わるものが多く、なかにはほとんど朽ち果てていても高額で落札いることからも分かる。今回は膨大な出品数で、数のあるモデルは3日分が用意されたこともあり、リストでは日本から見て興味深いものを主に収録した。また写真も’90年代以降のポピュラーなクルマは省かしていただいた。その分バラエティに富んだ出品車を可能な限りお目に掛けたい。