メルセデス・ベンツEQB 詳細データテスト 成熟の走り 航続距離は不足 7座不要なら必然性は低い

公開 : 2022.05.28 20:25

内装 ★★★★★★★★☆☆

英国仕様のEQBは、3列7座が全車標準装備となる。しかし、諸元表を詳細に検分すると、小型のMPVやSUVはほとんどがそうであるように、3列目は子ども用と思ったほうがいいサイズだということがわかる。

メルセデスが自ら、3列目の乗員は身長165cmまでに制限されるとしているが、この見立てはなかなか正確だろう。ヘッドルームの実測値はGLBと同じく840mmで、これはスコダ・コディアックの820mmは上回るが、フォルクスワーゲン・トゥーランの880mmには及ばない。

3列目は子ども用という程度の広さだが、収納の多さなどの利便性や、質感の高さも併せ持つことを考えると、ファミリーカーとしてなかなか魅力的な選択肢だと思わせてくれるキャビンだ。
3列目は子ども用という程度の広さだが、収納の多さなどの利便性や、質感の高さも併せ持つことを考えると、ファミリーカーとしてなかなか魅力的な選択肢だと思わせてくれるキャビンだ。    MAX EDLESTON

2列目シートが前方へチルトできるので、3列目へのアクセスは、ローティーンくらいまでなら問題はないだろう。また、前後に140mmスライドできるので、荷室を犠牲にすればレッグルームを拡大できる。

ISOFIXのチャイルドシート用アンカーは、後方5席のうち4席に備わる。これは、もっと大きな7シーターでも珍しいことだ。いっぽうで、その5席をすべてたたんだ2名乗車アレンジでは、前席直後までに1.8mの長尺物を積むことができる。ちなみに、コディアックは1.9mだ。

運転席からの視界は良好で安心感があり、高さのあるグラスハウスは全方位の視認性を高めている。標準装備のシートはクッションの長さ調整があり、脚が長くてもサポートしてくれる。ステアリングコラムはマニュアル調整式で、ポジション合わせは楽だ。

マテリアルの質感は、見栄えも手触りも良好だ。メルセデスが好んで使うサテン仕上げのクロームや艶のあるブラックのプラスティック、色を選べるアンビエントライトが備わり、豪華できらびやかなラグジュアリー感を好むユーザーにはぴったり。ピカピカした派手さに満ちている。

ドアポケットやセンターコンソールの小物入れは多く、キャビン中央のそれはフタ付きなので、置いたものを周囲の目から隠せる。そうしたもろもろを考えれば、インテリアは雰囲気が魅力的なだけではなく、大人数の家族で使える便利でフレキシブルでもある。

この価格帯においては、もっとも広いスペースを持つ7シーターとはいえないかもしれない。しかし、ボディサイズと考え合わせれば、室内のスペースと使い勝手は大きなセールスポイントだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事