シボレー・コルベット 詳細データテスト 圧倒的エンジン 多面的シャシー もう少し軽ければなおよし

公開 : 2023.08.26 20:25  更新 : 2023.10.24 18:07

コルベットの強化版、Z06は、欧州スーパーカー顔負けの速さとハンドリング、公道でも許容できる乗り心地を兼備。もう少し軽ければ快適性と限界域の挙動の改善が望めそうですが、価格次第では欧州勢を脅かすかもしれません。

はじめに

グローバル化により、シボレーコルベットは巧妙なチャレンジをしてきた。C8こと8代目コルベットは2021年に欧州ローンチを果たし、2022年には初の右ハンドル車を英国へ投入。オートカー・アワードでは、これをベスト・ドリームカーに選出した。

欧州のシボレー代理店は、全面新設計のミドシップ・スティングレイに、これ以上ないほどの歓迎を受けた。しかし、C8への需要が高まるいっぽうで、英国を含む欧州へのGMの関与は揺らぎはじめている。関係者によれば、EV市場への興味を高めている反面、内燃エンジン車の販売には消極的になっているというのだ。

テスト車:シボレー・コルベットZ06 3LZクーペ
テスト車:シボレー・コルベットZ06 3LZクーペ    JACK HARRISON

いまや完全電動化を視野に入れているコルベットを、欧州シボレーはどう売るべきか検討中だ。英国や欧州のディーラーはキュ級契約を終了し、2年前に熱意を持って語られていた欧州でのコルベット拡販計画もペンディング状態だ。

こうした背景とは裏腹に、今回取り上げるのはスペシャルなコルベット、Z06だ。2021年末、22年モデルとして北米で発売され、英国への導入は新たな販売体制が整い次第行われるとされている。ただし、現時点では価格や販売時期は未定。今回は欧州本土に持ち込まれた左ハンドル車でのテストを実施した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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