輸入されない日本の宝石 日産Z トヨタGRカローラ スバルWRX 英国人が羨む1番は? 前編

公開 : 2023.09.09 20:25

操縦に忠実で挙動を予想しやすいパートナー

日産の上層部は、6代目のZ34型、370Zで内燃エンジンのスポーツカーは終わりにしようと考えていたようだ。しかし、GT-Rの開発にも携わった田村宏志氏は、大きな利益が得られなくても、スポーツカーは日産のプライドを保つために必要だと主張した。

その、2008年に発売されたZ34型の進化版が、新しい日産Z。ダッシュボードにはタッチモニターが据えられ、スタイリングも一新されたが、プラットフォームは従来のものを受け継いでいる。

日産Z スポーツ(フェアレディZ/カナダ仕様)
日産Z スポーツ(フェアレディZ/カナダ仕様)

しかし、オールドスクールな成り立ちがメリットをもたらす。ワインディングを走らせれば、操縦に忠実で挙動を予想しやすい、素晴らしいパートナーだと思えてくる。

ツインターボで過給される400psの3.0L V6エンジンは、爽快なパワーデリバリーを実現。6速MTのシフトレバーには好ましい手応えがあり、コクリとゲートへ決まる。ジューシーな和牛ステーキを、鋭利なナイフで刻んでいるような、そんな快感がある。

確かに、新鮮な感覚はないかもしれない。しかし、クルマの黄金時代を想起させることで、ドライバーを満たしてくれる。

英国に限らず、欧州のスポーツカー市場は縮小の一途。最近の日産も、電動化技術とクロスオーバーへ注力している。新しいZがグレートブリテン島へ上陸したら、少なくないファンに歓迎されることだろう。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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