エリーゼの派生モデル〜潜水艇から最新の限定車まで ヘネシーにラドフォード ほか

公開 : 2021.11.07 17:45

軽量なアルミ製シャシーを採用した、ロータス・エリーゼ。その構造を活かし、多くの派生モデルが生み出されました。英国編集部がその7台をご紹介します。

アルミ製タブシャシーの可能性

執筆:Alastair Clements(アラステア・クレメンツ)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
アルミニウム製の独立したタブシャシーを備えた、ロータス・エリーゼ。サーキット走行会を前提としたボディの剥ぎ取られた340Rや、ツー・イレブンにスポーツ・エリーゼなど、多くの派生バージョンが作られた。

さらにクーペボディのエキシージや、ラグジュアリーなヨーロッパSへ展開するなど、ロータスのモデル・ラインナップの拡大にもつながった。ストレッチしたシャシーにV8エンジンを搭載した、GT1ル・マンレーサーも誕生している。

ラドフォード・タイプ62-2(2021年)
ラドフォード・タイプ62-2(2021年)

このアルミ製タブシャシーの可能性へ注目したのは、ロータスの関係者だけではない。テスラ社の他にも、いくつかの自動車メーカーやカロッツエリアが、エリーゼをベースとした独自モデルを生み出している。今回は、その7車種をご紹介してみたいと思う。

ヴォグゾールVX220(オペル・スピードスター/1999年)

マーティン・スミス氏のデザインによるボディをまとい、1999年に発表された2シーター・スポーツ。ドイツのオペルから、スピードスターという名前で販売された。英国名はヴォグゾールVX220で、エリーゼの派生モデルとしては最も多く作られている。

当初は147psを発生する2.2Lのオペル・アストラ用ユニットを搭載し、5184台が製造されたが、2003年からは199psを発揮する2.0Lターボに変更。さらに941台がラインオフした。

ヴォグゾールVX220(オペル・スピードスター/1999年)
ヴォグゾールVX220(オペル・スピードスター/1999年)

ハンドリングは安全志向になり、快適性も高められていた点が特徴。エンジンはトルクが太く、より文化的な仕上がりとなっていた。一方で興奮度合いでは、エリーゼには及ばない。そんな声を知ってか、220psのVXRも60台限定で作られている。

オペル・エコ・スピードスター(2002年)

ボディを伸ばし、車高を低め、215kg軽量化させたスピードスター。通常のオペル・スピードスターと同じエリーゼ用のタブシャシーを採用するが、ガルウイング・ドアの付いた専用のカーボンファイバー製ボディを載せている。

発表は2002年のパリ・モーターショー。エンジンは1248ccのコモンレール・ディーゼルで、最高出力は113psとうたわれていた。

オペル・エコ・スピードスター(2002年)
オペル・エコ・スピードスター(2002年)

空力特性を磨いたフォルムはテールが伸ばされ、空気抵抗を示すCd値は0.20と驚くほど良い。ストリームライナーとして、当時のFIAワールドスピードレコードを樹立。最高速度は257km/hに届く一方で、燃費は40.0km/Lを達成している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アラステア・クレメンツ

    Alastair Clements

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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