ルノー・セニック 詳細データテスト 及第点の走り 長い航続距離 乗り心地や質感は今後の向上に期待

公開 : 2024.07.06 20:25

内装 ★★★★★★★☆☆☆

少し前ならなんとなくプラスティッキーでグレーがかっていたルノーのインテリアだが、最近はかなりがんばってよくなっている。このセニックも、上昇軌道の好例だ。手触りのいいマテリアルや明るい色合いのパーツに加え、アイコニック仕様はパノラミックルーフを装備することもあり、いい感じに明るくあたたかい雰囲気となっている。

このルーフ、ルノーによれば量販車初だという、全面もしくは部分的に透明度を変えることができるポリマー分散液晶を採用。Googleアシスタントを介して、音声操作も可能だ。また、機械式ブラインドに比べ、ヘッドルームが30mm程度余計に確保できている。

広さはなかなかのもので、使い勝手も良好。ただし、視認性やシートアレンジなど、物足りなさを感じる部分もある。
広さはなかなかのもので、使い勝手も良好。ただし、視認性やシートアレンジなど、物足りなさを感じる部分もある。    JOHN BRADSHAW/MAX EDLESTON

うまくできた収納や快適装備も多い。とはいえ、エルゴノミクス面で奇妙なところも多少ある。コクピットそのものはうまく設計されていて、角ばったステアリングホイールや、ドライバーに見やすい角度がついた大画面の縦型センターディスプレイには高級感もある。

重要な機能には実体操作系が用意される。さらにセンターコンソールは、携帯電話の充電トレーを高い位置にフローティング配置することで、大きな収納スペースを稼いでおり、キャビンの使い勝手はかなり高い。

それだけに、デジタルルームミラーが大きくて、斜め前方の視界を削っているのが残念だ。そのせいで、シートの高さがちょうどいい位置に調整できないのも惜しい。Aピラーも驚くほど太く、三角窓は塞がれている。その結果、キャビンは広がりのあるラウンジのように感じられるが、市街地での運転を特別楽にしてくれることはない。

乗員スペースと荷室は、クラストップではないまでも、なかなかのものだ。後席はヘッドルームがMPV的で、レッグルームはヒョンデアイオニック5ほどではないまでもすばらしい。545Lという積載容量は、4.5m級のクルマとしては大きく、フロア下にはケーブルを収納できるストレージもある。

しかしながら、開口部の段差は大きく、後席を倒した際には段差もある。また、かつてのセニックの売りだった、後席の独立アジャストは、オプションでも用意されていない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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