フェラーリが「新型」続々投入! ラインナップ大刷新 ローマ、296、SF90…そしてEVも

公開 : 2025.03.12 18:45  更新 : 2025.03.12 21:38

フェラーリは今年、製品ラインナップの刷新に取り掛かります。ローマ、296、SF90の改良型や派生モデルを投入するほか、同社初のEVもついにデビューを迎えます。その概要をまとめました。

2025年投入予定の新モデルまとめ

フェラーリは、2025年内にラインナップのほぼすべてのモデルを一新する計画で、新たに複数の高性能バージョンを開発中である。

すでに発表済みの新型F80に加えて、ローマ、296、SF90の派生モデルが登場する予定だ。

フェラーリが2025年に発表する新モデルの概要をまとめた。
フェラーリが2025年に発表する新モデルの概要をまとめた。

フェラーリが満を持して投入する初のEVも、開発の最終段階に入った。同車は10月9日に開催される投資家向けのイベント「キャピタル・マーケット・デイ」でデビューする予定だ。

現時点では、発売されたばかりの12チリンドリと、プロサングエは年内に新型の投入予定がない。

こうした新モデルの大規模投入は、フェラーリの戦略転換を表すものだ。販売台数(通常は年間1万4000台弱)の増加を狙っているわけではなく、製品ラインナップの多様化を目指している。つまり、モデルラインを拡充するが、各モデルの販売数は少なく抑えるという戦略である。

フェラーリのCEOであるベネデット・ヴィーニャ氏は「当社は、数少ないモデルを大量生産したいとは思っていません。それは、あまり望ましくないことであり、常にラグジュアリーブランドであり続けるという当社の戦略に沿ったものではないと考えています」

2025年の登場する新モデルとしては、以下のようなものが予想される……。

ローマが「M」バージョンへ

ローマのクーペ仕様の生産は昨年終了したが、2025年に改良を受けて復活する。

これまでに目撃されている新型のプロトタイプは、シルエットが従来型と非常によく似ていることから、抜本的なモデルチェンジではなく、進化的な改良であると予想される。

フェラーリ・ローマ
フェラーリ・ローマ

ポルトフィーノと同様に、モディフィカータ(Modificata=改良型)という扱いを受けることになり、車名に「M」が追加される可能性がある。スタイリングの変更、シャシー設定の調整、パワートレインの出力向上が図られるだろう。

ポルシェ911ターボやアストン マーティンヴァンテージに遅れをとらないよう、最高出力を660ps程度に引き上げる可能性がある。

今後数か月以内に発表される見通しで、年内の発売が期待される。その後、ローマ・スパイダーの改良型が続く予定だ。

「最大限の楽しさ」を約束する初のEV

フェラーリ初のEVの重要性は、いくら強調してもし過ぎることはない。このEVは、80年もの間、同ブランドのほぼすべてのロードカーを特徴づけてきた重要な要素であるエンジンを降ろすものだからだ。

これまでに目撃されたプロトタイプは、旧型のマセラティレヴァンテのボディを使用していた。そのため、プロサングエのスタイルを踏襲した、車高の高いモデルとなる可能性がある。

フェラーリ初のEVが10月9日に発表される。
フェラーリ初のEVが10月9日に発表される。

実際、電動化にはこのようなスタイルが適している。車両の床下にバッテリーを搭載するには、地上高を高くする必要があり、自然とSUVらしい外観になるからだ。

まだ不明な点が多いが、フェラーリは典型的な「スケートボード」デザインを採用せず、代わりにフロントまたはリアのアクスル周辺に重量を集中させるかもしれない。そうすれば、既存のフロントエンジンおよびミドエンジンモデルと同じような重量配分を実現できる。

しかし、フェラーリが最も重要視しているのは、ドライバーが「最大限に楽しむこと」であると、CEOのヴィーニャ氏は語っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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