2025年版 自動車専門誌が選ぶ、最高のステーションワゴン 10選 必要なものをすべて揃えたクルマ

公開 : 2025.04.26 18:25

6. ダチア・ジョガー

デザイン:8点 インテリア:8点 パフォーマンス:8点 乗り心地とハンドリング:7点 コスト:9点
長所:クラス最高のコストパフォーマンス 3列目シートが実用的 低燃費
短所:アクティブ・セーフティ・システムが一部欠けている 大人にとっては車内空間がそれほど広くない パワートレインの洗練性がやや欠けている
最大の特徴:コストパフォーマンス

ルーマニアの自動車メーカーでルノー傘下のダチアが欧州市場で販売する『ジョガー』。これはステーションワゴンなのか、ミニバン(MPV)なのか、あるいはSUVなのか、意見が分かれるところかもしれない。確かに7人乗りで車高もそこそこ高いが、筆者はステーションワゴン、しかも非常に優れたものだと捉えている。

6. ダチア・ジョガー
6. ダチア・ジョガー

「ジョガーは、ライバル車とは一線を画す製品である。MPV/ステーションワゴン/クロスオーバー/SUVなどの要素を兼ね備え、購入を検討する際に話題に上ることも多く、また所有すればさまざまな用途に使える、手頃な価格のクルマである」
――マット・ソーンダース、ロードテスト編集者

ここ数年の生活費の高騰を考えると、ジョガーは特に歓迎すべきモデルだ。3列シートと高い実用性を備えているにもかかわらず、一般的なハッチバックよりも非常に安価だ。

安いからと言って、快適性を諦める必要はない。確かに、内装材のプラスチックは硬く、贅沢なレザーシートもないが、ファブリックやアルミ調トリムをうまく使うことで、コストを抑えながら好印象に仕上げている。

上級グレードにはシートヒーター、クルーズコントロール、ナビ、そして操作しやすいインフォテインメント・システムが追加される。

1.0Lガソリンエンジンはパワフルではないが、キビキビと決まる6速MTのおかげで十分に余裕を持って走れる。ATが必要なら、低燃費のハイブリッド車がおすすめだ。

サスペンションはソフトで乗り心地も良く、また全体のバランスに優れ、ワインディングロードでも快適に走れる。

欧州の安全性評価機関ユーロNCAPで「1つ星」の低評価を受けてしまったが、これは決して “危険な乗り物” というわけではない。一部のアクティブ・セーフティ・システムが未搭載であることから減点となったが、衝突時の乗員保護性能は他車と遜色ないレベルだ。これらのシステムは、場合によっては助けになるというよりもむしろ邪魔になることもあるため、大きな欠点ではない。

ダチア・ジョガーは、比較的低価格で多くの楽しさを提供してくれる、陽気で気持ちの良いパッケージとなっている。高級車とは正反対のキャラクターだが、嫌いにはなれない。

記事に関わった人々

  • イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    役職:常勤ライター
    クルマだけでなく、英国のローカルニュースとスポーツ報道にも精通し、これまで出版物、ラジオ、テレビなど、さまざまなコンテンツ制作に携わってきた。フォルクスワーゲン・グループの小売業者向けニュースウェブサイトの編集者を務めた後、2021年にAUTOCARに移籍。現在はその幅広い経験と知識を活かし、主にニュース執筆やSNSの運営を担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、トヨタGRヤリス。一番のお気に入りだ。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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