「何よりも大切なのは運転する喜び」 ヒョンデの走りを変える開発責任者マンフレッド・ハラー氏に会う
公開 : 2025.10.21 17:45
AI活用で開発期間短縮へ
同時に多数の課題を抱える現代において、車両開発スピードの重要性はかつてないほど高まっている。特に、欧州の自動車メーカーが4年以上かけて新型車を開発するところを、中国の新興メーカーはその半分以下で開発している。しかし、ハラー氏はこう指摘する。「中国のスピード感はよく知られていますが、韓国のスピード感を過小評価してはいけません」
韓国では「数日単位」で意思決定が可能だが、欧州では半年もかかり、会議が延々と続くこともあるという。

「開発サイクル全体の実行スピードは、従来の欧州OEMと比べて信じられないほど短い。欧州で経験したものと比べても、非常に、非常にアグレッシブなスケジュールと言えます」
しかし、さらにスピードアップは可能だ。そのためにHMGは、バーチャル技術とAI技術への投資を強化し、開発初期段階の加速を図っている。
初期の物理的な試作段階をスキップし、あらゆることをバーチャルで進める可能性もある。AIを活用することで類似タスクのプロジェクト間での重複を防ぎ、すべての開発作業の「デジタルツイン」を作成できるのだ。
「わたし達は技術革新を推進し、このサイクルをさらに短縮しようとしています。開発サイクルの短縮だけでなく、精度を高めつつ時間を短縮することが重要です。従来のシステムは古いツールが断片化し、相互に連携していません。今は(新たな統合技術で)効率性とスピードを高め、AIの力を組み合わせられるのです。これはまさにゲームチェンジャーです」
ハードウェアとソフトウェアの連携
彼の最大のプロジェクトの1つがSDV向けのプラットフォームだ。新しいバッテリーとモーター技術、そして電気アーキテクチャーとソフトウェアスタックを包含し、2020年代末までに完成予定とされている。
自動車メーカーにとってSDVの魅力は、複数のサブシステムとECU群で構成されるアーキテクチャーから、より中央集中型のシステム基盤へ移行できる点にある。このアーキテクチャーは複数モデルに展開可能で、遠隔で更新・改良できる。

自動車メーカーは長年、モデル間でハードウェアを共有し、必要に応じてスケールアップ/ダウンすることに長けてきた。しかし今、電動化だけでなく自動運転機能の登場により車両の複雑さが増したため、ソフトウェアでも同様の対応が求められている。そして、ハードウェアとソフトウェアは確実に連携させなければならない。
「これ以外に選択肢はありません」とハラー氏は言う。HMGのEVにおける最終目標は、急速充電に対応する高級モデル向けの800Vと、より手頃なモデル向けの400Vという2つの従来型ハードウェアアーキテクチャーを、SDV電気アーキテクチャーでバックアップすることだ。
「プラグインハイブリッド(PHEV)や内燃機関車もあります」とハラー氏は続けるが、そのタスクの膨大さは微塵も感じさせない。次の質問に入る前に、彼は新興市場向けにも異なるプラットフォームを投入すると語った。
「この複雑さを管理するのは本当に大変ですよ。モデルチェンジ、改良(フェイスリフト)、モデルイヤーの変更に細かく分けると、毎日のようにどこかで『モデルイベント』が発生しています。これほど複雑でありながら効率的な組織は見たことがありません。その背後では品質、安全性、信頼性を確保しなければならないのです」
「自国市場を見る時は、1つの視点から見るでしょう。ですが米国視点、欧州視点、そして中国・インド・アジア太平洋の視点もあります。南米向けなど、他の市場では見られない専用モデルも存在します」
優先順位はどう付けるのだろうか? ハラー氏は、エンジニアたちに全体的な方向性を示し、あらゆる業務のスピードアップを図ることが最優先だと語る。日常業務に関しては、約300名のエンジニアからなる「タスクフォースチーム」も率いており、そこから必要に応じて特定のプロジェクトに従業員を派遣することもある。






















































