トヨタ・プリウスに勝てなかった米国製ハイブリッド車 シボレー『ボルト』誕生と失敗を振り返る【UK編集部コラム】
公開 : 2026.03.24 11:25
大きな反響を呼んだコンセプトカー
明るい兆しが見え始めたのは、カリフォルニア州の小さなスタートアップ企業が、最高速度225km/h、航続距離320kmのスポーツカーを開発したときだ。その企業とは、テスラ・モーターズのことである。スポーツカーはロータス・エリーゼをベースにしたロードスターであり、6835個のノートパソコン用リチウムイオンバッテリーを使用していた。
ラッツはこれを足掛かりとしてコンセプトカーを開発し、2007年1月7日のデトロイト・オートショーで大々的に披露した。その反響は凄まじく、トヨタの広報部門がその実現可能性に疑問を呈するほどだった。GM内の懐疑派(その数は多かった)も、これを実現する意図も手段もないと口にしていた。

それから4年も経たないうちに、コンセプトカーから大幅に変更されたボルトが量産段階に入った。生産部門を率いたのはオペル出身のフランク・ウェーバー氏であり、信頼性の高いバッテリーの調達という任務は、GMの充電式エネルギーシステム部門責任者であるデニス・グレイ氏に委ねられた。
筆者は当時、ボルトの記者会見でグレイ氏から、必要なバッテリーパックを設計できるかどうかまだ分かっていない、と言われたことを鮮明に覚えている。これほど注目度の高いプロジェクトにおいて、そのような危機を認めることに筆者は驚いた。しかし、最終的には2010年の生産開始を含め、ボルトの開発目標は達成された。
欧州版も登場 性能は上々だが……
開発期間を通じて、GMは定期的にメディアに対してプロジェクトの進捗を報告し、車両の仕組みやその背景にある考え方を詳しく説明していった。また、欧州ではシボレー・ボルトだけでなく、オペル/ヴォグゾール・アンペラも登場することも明かされた。
説明会の数はあまりにも多く、実際の販売台数に対する記者会見の比率がこれほど高いケースは他にないだろう。残念ながら、それは記者会見が多かったからだけでなく、ほとんど売れなかったからだ。

ボルトとアンペラの2車種は、走行性能で期待外れだったわけではない。AUTOCAR UK編集部のテストでは、アンペラは53.7kmの電気走行距離、0-97km/h加速タイム10.1秒を記録し、バッテリー充電費用はわずかであると推定された。ハンドリングや乗り心地に目立った特徴はなかったものの、運転しやすく、静かで、十分に快適だった。
最大の欠点は、3万2995ポンドという高い価格設定だった。当時利用可能だった英国の5000ポンドの補助金を差し引いても、ハッチバックのアストラのほぼ2倍の金額になる。しかもアストラなら5人乗りだが、ボルトは4人乗りだ。















