【詳細データテスト】BMW 5シリーズ 高い完成度 動力性能と燃費を高次元で両立 個性は不足気味

公開 : 2021.10.30 20:25

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

運動性能には中途半端さが目についたが、その代わりに乗り心地は静かでしなやかだ。よほど路面が荒れていなければ、オプションの20インチタイヤを履いていても、ひどくキツいことにはならない。ロードノイズが多少増す程度だ。小さく鋭い入力も、大きい突き上げも、同じようにうまく吸収する。

安くない出費でアダプティブダンパーを追加した場合、やや腹立たしくなるのは、その調整が楽ではないことだ。走行モードを中間セッティングのスポーツインディヴィジュアルにしないと、ダンパーをソフトな設定にすることはできない。しかも、そのメニューがすぐに呼び出せないのだ。

走りの詰めに甘さが感じられた反面、乗り心地は上々。サスペンションのセッティングは操作がやや面倒だが、アダプティブダンパー任せでも不満な場面はほぼない。静粛性も高い。
走りの詰めに甘さが感じられた反面、乗り心地は上々。サスペンションのセッティングは操作がやや面倒だが、アダプティブダンパー任せでも不満な場面はほぼない。静粛性も高い。    LUC LACEY

ただし、アダプティブダンパーが所期の役割をきちんと果たしてくれるのはありがたい。路面に応じて自動的に、硬めるべきところは硬く、ゆるめるべきところではゆるくなるので、車体の水平姿勢と快適性が保たれる。わざわざドライバーが調整しようと思うことは、ほとんどないはずだ。

メカニカルな洗練性には満足できる。エンジンが回っていても、80km/h走行時の室内騒音は63dBAで、高級車としてもなかなかの静粛性。高速走行時の風切り音も、きっちり抑えられている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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