【詳細データテスト】レンジローバー 驚くほどの静粛性 大きさが苦にならない視認性 想像以上に俊敏

公開 : 2022.07.23 20:25

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

全長5m以上、全幅2m以上のクルマをワインディングで走らせるのは、多くのドライバーにとってうれしい体験を期待できるケースではない。はっきりいって、大きなクルマは苦痛に感じる、という声さえあるだろう。

たしかに、レンジローバーの幅広さは否定しようがない。それでも、Qがつくアウディや、Gではじまるメルセデスに比べれば見切りがよく、車両感覚がつかみやすい。競合する大型SUVの多くと比較して、グラスハウスは広い。

正確なステアリングと優れた視認性が、狭い道でも位置決めを、ほかの大きなクルマより容易にしてくれる。
正確なステアリングと優れた視認性が、狭い道でも位置決めを、ほかの大きなクルマより容易にしてくれる。    LUC LACEY

ライバルたちはもっとオンロード志向で、ドライビングポジションが低かったり、クーペ風を謳うデザインだったりする。それにより、ボンネットのエッジが把握しづらい。側面の低いところも見づらいが、レンジローバーなら、広いミラーで楽に確認できる。世界各地で売るクルマなので、英国の路上では大きすぎるとは感じるが、これで視認性が悪かったら、事態はもっと悪化していただろう。

路上での位置決めをする能力は、操縦系や操舵系がいかに正確でレスポンスがいいかという点にも及ぶ。もし、目に入る3番目のキャッツアイ位置を合わせようとすれば、それができる。コーナーのイン側に思い切り寄せて、対向車が通るスペースを空けたいと思えば、それもできてしまう。

このコントロール系には、重量から想像する以上の敏捷性も備わる。アクティブスタビライザーとエアサスペンションが、本当にスポーティではないにしても、ロールを抑えてうまく鼻先の向きを変えてくれる。

そして市街地や、タイトなエントランスの出入りでは、アクティブリアステアが大きな効果を発揮し、ドライバーに自信をもたらしてくれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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