ヒョンデ・アイオニック5N 詳細データテスト ドライバーズカーEV誕生 重さを忘れるハンドリング

公開 : 2024.08.17 20:25

購入と維持 ★★★★★★★★★☆

タイヤはEVに最適化したコンパウンドのピレリPゼロだが、接地面積は大きいので、ころがり効率が最高の利点ではなくても驚きはない。ツーリング電費は4.0km/kWhだったので、高速道路での現実的な航続距離は320kmちょっととなる計算。充電スピードが最大239kWに達することを考えれば、まずまずといえる。

平均は4.5km/kWhなので、走行可能距離は370km程度。さほど長くはないが、これ以上期待するのは、600psオーバーのBMW M5に16km/L近い燃費を求めるようなものだ。

アイオニック5Nの予想される残価率は、競合するガソリン車と比べても悪くない。ただし、この手のEVとしてはマカンの強さが際立っている。
アイオニック5Nの予想される残価率は、競合するガソリン車と比べても悪くない。ただし、この手のEVとしてはマカンの強さが際立っている。

6万4945ポンド(約1214万円)という価格は、ロータスエメヤポルシェタイカンの同等のパワーを持つ仕様に比べればさほど高価ではない。それでいて、ドライバーの満足度や日常での使い勝手で劣ることはない。

同等の性能を持つ内燃エンジン搭載車となると、パワーなどを考えればBMW X5Mあたりの名が挙がるが、そのほうがかなり高価だ。アイオニック5Nは、なかなかのバーゲン価格と言えそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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