BMW M5 詳細データテスト 電動化を生かした加速性能 調整範囲の広い走り 最大のネックは重さ

公開 : 2025.03.08 20:25

結論 ★★★★★★★☆☆☆

7代目のBMW M5を批判するのは簡単だ。存在そのものがそのベストな回答かもしれない。

Mディビジョンは、このクルマの進む道を見つけた。大きなV8をノーズに収め、商業的に成立させるためハイブリッドテクノロジーを組み合わせた。そして、納得できる値付けをした。ライバルたちに照らせば、多くのひとが思うより大きな手柄を上げたといえる。

結論:技術的に大きな進歩を遂げたが、厄介なテリトリーに踏み込んだ。
結論:技術的に大きな進歩を遂げたが、厄介なテリトリーに踏み込んだ。    MAX EDLESTON

現実世界での優れたパフォーマンスと感動的なパフォーマンス志向のキャラクター、技術的な先進性を帯びながらも魅惑的なキャビンやツーリング性能はどれも魅力的だ。たとえ大きさや重さ、しなやかさに欠けるシャシーが、先代にあったようなドライバーへのアピールを削いでいるとしてもだ。

最新のM5は、最良のM5ではなかった。しかし、売り続けるために魂まで売り渡したわけではない。これで当面売り続けることができるなら、脱帽ものだ。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

M5のエンジニアたちに言わせれば、ダンパーのスポーツモードは速度域の速い道やノルドシュライフェのようなサーキットで使うもので、スポーツプラスはきわめてスムースなサーキット専用。公道では、コンフォートモードに入れたままに、ということになる。

イリヤ・バプラート

ライトアップ付きキドニーグリルのアイコニックグローは無駄なギミックに思えるが、それは問題ではない。もっとも顕著なのは、M仕様のワイドフェンダーが、そのままではやや力強さに欠ける5シリーズに、走りを感じさせるスタンスをもたらしていることだ。

改善してほしいポイント

・速めのカントリーロードでの乗り心地をスムースに。ボディコントロールを多少引き換えにしても。
・軽量化へ真剣に取り組んでもらいたい。
・ダンパーそのもののアップグレードは、F90型で成功を収めている。現行のG90型でも再現してほしい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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