ロータス・エミーラ 詳細データテスト 古き佳きロータスの魅力健在 高い質感と実用性 ネックは価格

公開 : 2025.04.19 20:25  更新 : 2025.04.19 22:35

サーキット ★★★★★★★★☆☆

405psもあるので、ストレートは楽にこなす。ギアチェンジは全開アタックをうまくできるほどではないが、サーキットを速く走るのに障害とはならない。周回を重ねると、最後はブレーキペダルがややソフトになったが、制動力が落ちることはなかった。

エミーラのシルエットはいかにもミドシップらしいが、エンジン位置は思ったより後方に寄っている。そのため、前後重量配分は39:61と、ケイマンより911に近い。また、公道向けでしなやかなツアーサスペンションは、思ったよりロールが出る。

ハイパーカーのエヴァイヤ以来、ロータスは多孔性デザインを採用。エミーラはエヴァイヤより控えめだが、通風口を多数配置。テールライトも、開口部の縁を取り囲むようなデザインだ。
ハイパーカーのエヴァイヤ以来、ロータスは多孔性デザインを採用。エミーラはエヴァイヤより控えめだが、通風口を多数配置。テールライトも、開口部の縁を取り囲むようなデザインだ。    MAX EDLESTON

ドライコースでは、速度が低めのコーナーで、ターンインに多少の忍耐を要求する。エンジンが後部にあるクルマらしく、脱出でのトラクションは強力なので、意のままにスライドさせることは難しい。ただ、あらかじめ荷重移動をしっかりすれば、簡単に制御の効いたドリフトができる。

ウェットコースのトラクションが小さい路面では、後輪が容易に負けてしまうこともあるが、ステアリング越しのコミュニケーションがみごとなので、どうスライドしてもはっきりわかる。また、ロックトゥロック2.8回転と切れ幅が大きいので、どんなにオーバーステアが出ても受け止めることができる。

ESCのトラックモードはうまくチューニングされていて、雑な介入をすることなくクルマを走らせる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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