ロータス・エミーラ 詳細データテスト 古き佳きロータスの魅力健在 高い質感と実用性 ネックは価格

公開 : 2025.04.19 20:25  更新 : 2025.04.19 22:35

購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆

エミーラにとって、価格の話はつらいところがある。V6の初期モデルは7万5995ポンド(約1429万円)だったが、今回のテスト車であるファーストエディションの本体価格は8万9895ポンド(約1690万円)。生産開始から2年経ってもファーストエディションを販売していたので、V6と、メルセデスAMG製の直4を積むターボSEに整理されたのはつい最近だ。

価格は今や、V6が9万2500ポンド(約1739万円)、ターボSEが8万9500ポンド(約1683万円)に上がっている。ポルシェ911カレラTよりは安いが、われわれが競合車種と考えている718ケイマンやBMW M2、アルピーヌA110よりは高額だ。

荷室の前後長は160~400mm、幅は700~1550mm、高さは320mm。まずまずのサイズだが、エンジンの熱が入る。シートの背後にも荷物は置けるが、フロントトランクはない。
荷室の前後長は160~400mm、幅は700~1550mm、高さは320mm。まずまずのサイズだが、エンジンの熱が入る。シートの背後にも荷物は置けるが、フロントトランクはない。    MAX EDLESTON

軽量で、前面投影面積が小さいので、V6スーパーチャージャーを積むわりには経済的。ツーリング燃費は10.3km/L、燃料タンク容量は60Lなので、まずまずの航続距離を可能にする。

英国製スポーツカーというと、信頼性が心配なところだ。新工場は品質管理が改善されていると思われるが、オーナーのフォーラムでは、小さな心配事や、ディーラー対応の不足が語られている。テスト車にも問題があり、運転席側のドアリリースが効かなくなった。また、燃料ポンプ制御モジュールとの接続ロストを示す警告灯が点灯したが、コードリーダーでリセットした後は点くことはなかった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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