2025年版 自動車専門誌が選ぶ、最高のホットハッチ 10選 実用性と楽しさを両立したコンパクトカー

公開 : 2025.04.27 18:25

2. ホンダシビック・タイプR

デザイン:8点 インテリア:9点 パフォーマンス:10点 乗り心地とハンドリング:10点 コスト:7点
長所:運転感覚はまさに正統派スポーツカー 素晴らしいシャシー 刺激的なパワートレイン
短所:シャシーが硬いため、濡れた路面ではトラクションに苦労する 必ずしも最も遊び心のあるキャラクターではない 高価
最大の特徴:サーキットでのスリル

先代のホンダ・シビック・タイプRは、AUTOCARお気に入りのホットハッチの1つだった。そのため、この最新モデルにも大きな期待が寄せられていたが、幸いなことにその期待を裏切られることはなかった。BTCC風のリアウィングがまだ少し暴れん坊っぽい印象を残しているものの、先代モデルよりも大人びた印象を与える。

2. ホンダ・シビック・タイプR
2. ホンダ・シビック・タイプR

「旧型は生産中止になるまでこのクラスでトップの座を維持しており、新型はさらに進化を遂げていることから、同車が現在最高の大型ホットハッチバックであることは当然と言えるだろう」
――マット・プライヤー、編集委員

ボンネットの下には、おなじみの2.0Lターボエンジンが搭載されており、フライホイールの軽量化、吸気と排気の改善などにより、最高出力が320psから330psに向上している。また、6速マニュアル・トランスミッションのゲートが改良され、シフトチェンジがさらにスムーズになった。

デュアルアクシス・フロントサスペンションとマルチリンク・リアアクスルはほぼ同じだが、トレッドが15mm広くなり、15%剛性向上したボディシェルと組み合わさって、よりシャープなハンドリングと高い快適性を両立している。

確かに速く、0-100km/h加速は5.4秒で達成し、最高270km/hもほぼ手の届く範囲にある。しかし、そのパフォーマンスは洗練された上品なものとなっている。

では、なぜこのクルマがトップにランクインしていないのか? まず、ホンダがタイプRの価格を大幅に引き上げたことが挙げられる。先代モデルの英国価格は3万3000ポンド(約620万円)程度からだったが、新型は5万ポンド(約940万円)からとなり、しかも英国への割り当て台数も非常に限られている。

3. フォード・フォーカスST

デザイン:8点 インテリア:8点 パフォーマンス:9点 乗り心地とハンドリング:9点 コスト:8点
長所:非常に多用途なホットハッチ 他車よりも表現力豊かなステアリングとハンドリング 力強いエンジンが魂を揺さぶる
短所:ハンドリングは少し大げさ マニュアル・トランスミッションは最高とは言い難い もう長くは販売されない
最大の特徴:日常使いで楽しめる性能

フォードは、過去数十年間で素晴らしいホットハッチをいくつか生み出してきた。現在のフォーカスSTは、上記のヤリスやシビックほどシャープで没入感はないが、フォードの伝統を確実に継承している。価格もシビックよりはるかに手頃だ。

3. フォード・フォーカスST
3. フォード・フォーカスST

「まだ手に入るうちに、このクルマを最大限に楽しむべきだろう。フォーカスの時代は終わりに近づいている。そのことが非常に残念だ」
――ジャック・ウォリック、常勤ライター

フォーカスSTは、ダイレクトで俊敏なハンドリング、堅固なボディコントロール、そして豊かなサウンドと動力性能という、ハイパフォーマンスカーのキャラクターをしっかりおさえている。ありきたりな道路の走りさえも楽しくする、まさにホットハッチと呼ぶにふさわしいクルマである。

そのバランスはSTモデルとして理想的と言えるだろう。走りにのみ特化したパワフルなサーキットマシンというよりも、日常的な走行性能に優れた、情熱的なクルマだ。

現行世代は、アダプティブダンパーと、駆動輪であるフロントアクスルに電子制御リミテッド・スリップ・ディファレンシャルを初めて採用した。後者は、この価格帯のクルマではあまり見られない装備であり、ハンドリングの魅力をさらに高めている。

もしこのクルマに興味があれば、今すぐ注文した方がいい。小型のフォード・フィエスタおよびフィエスタSTはすでに生産が終了しており、フォーカスシリーズも2025年後半に生産終了となる予定だ。

記事に関わった人々

  • ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    役職:常勤ライター
    クルマだけでなく、英国のローカルニュースとスポーツ報道にも精通し、これまで出版物、ラジオ、テレビなど、さまざまなコンテンツ制作に携わってきた。フォルクスワーゲン・グループの小売業者向けニュースウェブサイトの編集者を務めた後、2021年にAUTOCARに移籍。現在はその幅広い経験と知識を活かし、主にニュース執筆やSNSの運営を担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、トヨタGRヤリス。一番のお気に入りだ。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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