スズキジムニー

ある意味では、最新世代のジムニー(日本名:ジムニー・シエラ)でさえ推奨できる点は少ないように思える。100psの1.5Lエンジンは騒がしく平凡な性能しか発揮せず、ステアリングは曖昧で、特に風が強い時の高速道路走行はまったく楽しくなかった。

だが……その見た目は非常に魅力的で、どんな悪路でもほぼ走破できてしまう。英国では道が荒れている郊外の人々に愛されたが、嘆かわしいことに排出ガス規制により販売期間は3年未満にとどまった。

スズキ・ジムニー
スズキ・ジムニー

ランボルギーニLM002

LM002は多くの点で失敗作だ。ランボルギーニは米陸軍との有利な契約獲得を目指し、軍用車両として開発した。結局はハマーに敗れたが開発を継続し、クライスラー製V8エンジンを、カウンタックから流用したよりパワフルな5.2L V12エンジンに載せ換えた。

重量は3トン弱もあるが、それにもかかわらず0-100km/h加速は8秒をマーク。今日の高性能SUV(自社のウルスを含む)の先駆けとも言える存在だ。こっそり言わせてもらうが、筆者はLM002の見た目もなかなか気に入っている……。

ランボルギーニLM002
ランボルギーニLM002

いすゞ・ビークロス

1997年にビークロスが登場した当時、その魅力に気付く人は少なかった。黒いプラスチック製バンパーを備えた外観もあまり支持を得られなかった。だが皮肉なことに、いすゞの商用車としてのルーツがむしろプラスに働き、その点が筆者のお気に入りの理由となっている。オフロード性能は申し分なく、頑丈に作られ、3.2Lと3.5LのV6エンジンを搭載。後者は215psを発揮する。

全長4130mmとコンパクトな点も有利で、市街地でも扱いやすい。今では不当に忘れ去られているが、生産台数は5598台。そのうち74%が米国向けで、残りは日本国内で販売された。

いすゞ・ビークロス
いすゞ・ビークロス

メルセデス・ベンツG 63 6×6

全長5875mm、全高2.3m、重量約4トンという巨体ゆえ、公道走行の正当性を疑問視する声もあった。メルセデス・ベンツは2008年、オーストラリア軍向けにG 63 6×6を開発。その後市販化され、2013年に販売が開始された。

軍用車両としての出自から、ローレンジのギア比、5つのデフロック、37インチタイヤの空気圧を保持するタイヤインフレーション・システム、ポータルアクスルを備えている。540psの5.5LツインターボV8エンジンにより、0-100km/h加速は7秒を達成する。市販の6輪駆動車は稀少であり、芸術品と言えるだろう。この特異なマシンからは目が離せない。

メルセデス・ベンツG 63 6x6
メルセデス・ベンツG 63 6×6

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

「クセつよ」だけど愛さずにはいられないクルマ 40選の前後関係

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