クライスラーPTクルーザー

PTクルーザーは、2013年には「過去20年間で最悪のクルマ」アワードを受賞してしまった。安全評価の低さ、奇抜なデザイン、そして非力な2.4Lエンジンが理由だ。しかし筆者は、フォルクスワーゲンビートルやミニが存在する世界で、1930年代のホットロッドを彷彿させるノーズや膨らんだフロントフェンダー、クロームホイール、なだらかなルーフライン、平らなトランクリッドといったレトロなデザイン要素は唯一無二のものだと考えている。だからこそ、いつまでもこのクルマに特別な思いを抱き続けているのだ。

クライスラーPTクルーザー
クライスラーPTクルーザー

日産フィガロ

フィガロは1991年に登場したが、錆に弱いという欠点があった。レトロなスタイリングは人を選び、ルーフは雨漏りし、3速トランスミッションは操作感が悪い。こうした問題はあるものの、フィガロは日産車の中でも最も奇妙で素晴らしい1台として、筆者のお気に入りリストに名を連ねている。

その理由は、1930年代を彷彿とさせる多彩なカラーバリエーションだけでなく、ヘッドライト上部に配置されたクロームのアイリッド、縦に並んだリアランプ、そしてさまざまな趣向を凝らしたスイッチ類(1930年代のランプシェードを模したサイドウインドウスイッチを含む)などを備えた芸術的なインテリアにある。実に素晴らしい。その一言に尽きる。

日産フィガロ
日産フィガロ

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

「クセつよ」だけど愛さずにはいられないクルマ 40選の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事