倍耐力改めPIRELLI ピレリのパブリックイメージ(前編)【サイトウサトシのタイヤノハナシ 第20回】

公開 : 2026.05.20 12:05

倍耐力(ピレリの中国語表記)からPIRELLIへ

ひとつ事例を挙げると、ピレリが開発したサイバータイヤがこれに当たります。サイバータイヤは、タイヤ内部にセンサーを埋め込み、車両や外部とリアルタイムに通信を行う『インテリジェントタイヤ』システムで、欧米側からすれば、技術の流出が懸念されるわけです。

その結果、2023年にイタリア政府がゴールデンパワーを発動します。これはイタリア政府が持つ、民間企業の経営やM&Aに特別介入できる国家権限です。

ポルトガルで行われた試乗会。
ポルトガルで行われた試乗会。    斎藤聡

これにより、シノケムは37%の株を保有しながら、役員人事や技術決定の主導権を大幅に制限されることになりました。

シノケム側からの反発が強そうですが、37%もの大株主であることが逆に足かせになって、利益に相反してピレリの企業価値を落とせなくなっています。

ともあれ、ピレリは今現在、中国に筆頭株主を持ちながら、経営の自立性をもった欧州のタイヤメーカーとして新たにスタートを切ったのです。以下、後編に続きます。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    斎藤聡

    1961年生まれ。学生時代に自動車雑誌アルバイト漬けの毎日を過ごしたのち、自動車雑誌編集部を経てモータージャーナリストとして独立。クルマを操ることの面白さを知り、以来研鑽の日々。守備範囲はEVから1000馬力オーバーのチューニングカーまで。クルマを走らせるうちにタイヤの重要性を痛感。積極的にタイヤの試乗を行っている。その一方、某メーカー系ドライビングスクールインストラクターとしての経験は都合30年ほど。

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