ジープ・コンパス 詳細データテスト 意外にいいボディコントロール 広い室内 ニーズに合えば魅力的

公開 : 2022.02.26 20:25

購入と維持 ★★★★★☆☆☆☆☆

ここまで、コンパス4xeがこのクラスの新たなリーダーになりそうな望みは見出せないが、費用対効果の面でも名誉挽回とはいかない。PHEVモデルは3万9895ポンド(約618万円)からで、これはオフロード志向のトレイルホークの価格だ。

装備はまずまず充実しているが、シートの電動調整機構や4ウェイ式ランバーサポート、レザー表皮、さらに自動テールゲートといったアイテムは、上級グレードのSでないと装備されない。悪路走行に使う予定がないのなら、1000ポンド(約16万円)高いSグレードをおすすめしたい。

コンパスの残価予想をみると、このクラスでもっとも賢明な選択肢とはいいがたいが、まずまず悪くないといえそうだ。
コンパスの残価予想をみると、このクラスでもっとも賢明な選択肢とはいいがたいが、まずまず悪くないといえそうだ。

4万895ポンド(約634万円)というSの価格は、装備内容の近いフォード・クーガPHEVやヒョンデ・ツーソンPHEVなどより1000〜2000ポンド高い。また、数多く用意されるオプションは、妥当な価格設定のものがほとんどだが、それらを遠慮なくつけていくと、もっと航続距離の長いトヨタRAV4 PHEVや、より上質感のあるBMW X1 xドライブ25eと大差ない金額になってしまう。

ただでさえ高価な部類に入るコンパス4xeだが、おまけに予想される残価率がライバルたちほどふるわないので、長い目で見てもリセールで挽回することはできそうにない。

プラグインハイブリッドなので、給油の回数を減らせるメリットはこのコンパスでも享受できる。ただし、それにはいくつか条件がある。

まず、後席下に配置されたバッテリーは、荷室を圧迫しない代わりに、燃料タンク容量は36.5Lに目減りしている。そのため航続距離は、フル充電で走りはじめても500kmちょっとだ。

おまけに、電力のみで走行できる距離はWLTPテスト値で48kmしかない。テストで計測されたリアルな数字は35kmほどに過ぎず、プジョー3008ハイブリッド225の50kmやトヨタRAV4 PHEV(とそのOEM版のスズキ・アクロス)の74kmには及ばない。

1.3Lエンジンの燃費は、少なくとも妥当なラインだろう。Eセーブモードでのエコランでは16.6km/Lをマークするが、これはライバルたちと同程度だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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