ジェネシスGV60 詳細データテスト 韓国の高級ブランド 速く快適 四駆のハンドリングは安定志向

公開 : 2022.09.03 20:25  更新 : 2022.09.06 06:29

ヒョンデの上位ブランド、ジェネシス初のEV専用モデルは、既存EVで定評あるプラットフォームに充実装備で満足度の高い一台。ただし、航続距離はもう一息。また、低いブランド認知度が影響しそうな残価予想が懸念材料です。

はじめに

日本ではなじみのないジェネシスというブランドは、韓国のヒョンデが展開する高級車ブランドだ。レクサスインフィニティのような位置付けを狙ったものだと考えればいいだろう。

欧州で販売されるそのラインナップは、じつにありふれたものだ。ルックスも走りもまずまずだが、これまで他ブランドとの差別化を主張できるモデルレンジが足りなかった。

テスト車:ジェネシスGV60スポーツ・プラス
テスト車:ジェネシスGV60スポーツ・プラス    MAX EDLESTON

そうなると、これまでガソリンとディーゼルしか用意していなかったのを方針転換して、電動車専業ブランドへ移行することには意味がある。2030年までには全車をEVとする計画で、新型クロスオーバーEVのGV60はそのゴールに向けた最初のステップだ。

基本的なルックスは悪くない。E−GMPと銘打ったプラットフォームは、ヒョンデ・アイオニック5キアEV6といった、同グループの中型EVと共通だ。ジェネシスによれば、長い目で見て使うに十分なメカニズムだという。また、これ以外に2台、大型セダンのG80と、クロスオーバーのGV70のEV版を準備中だ。

しかし、ブランドは徐々に拡大していく計画で、商品自体の強みと、よりフレンドリーで個人的なアプローチによりセールスを増やしたいと考えている。

そうはいっても、まだまだブランド認知度を高めるためにはやるべきことが多い。今年7月の販売台数は、経ったの62台だったのだから。はたして、ヒョンデやキアの手頃なEVをベースに、プレミアム感を強めるレシピで生み出されたGV60には、市場シェア拡大に寄与するクルマとなるだけの内容があるのだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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