トヨタ・ハイラックス 詳細データテスト オンよりオフの走りで本領発揮 乗り心地には改善の余地あり

公開 : 2023.03.11 20:25

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

8代目ハイラックスのデビューは2016年なので、GRスポーツ仕様ではあっても、今回のテスト車は目新しいものではない。2020年のマイナーチェンジではスタイリングをリフレッシュしたほか、装備の拡充や、既存の2.4Lユニットより強力な2.8L直4ターボディーゼルの追加などが実施された。

この2.8Lユニットが、ハイラックスGRスポーツには積まれている。最高出力は204ps、最大トルクは51.0kg-mで、V8を積むアメリカンピックアップを求めるようなユーザー層に訴求できるほどではない。

GRスポーツのエンジンは既存の2.4L仕様ではなく、よりパワフルな2.8L仕様。縦置きされ、副変速機付き6速ATと組み合わせ、後輪もしくは四輪を駆動する。
GRスポーツのエンジンは既存の2.4L仕様ではなく、よりパワフルな2.8L仕様。縦置きされ、副変速機付き6速ATと組み合わせ、後輪もしくは四輪を駆動する。    LUC LACEY

それでも、2.4L仕様のハイラックスに対し、0-100km/h加速で2秒は速く、ディーゼル車の先代レンジャー・ラプターにもわずかながら勝っている。とはいえ、ウェイトは2125kg。トンあたり100psを切るのだから、スプリントで他を圧倒するようなクルマとは言えない。

GRスポーツのトランスミッションは、6速のトルクコンバーターATのみ。駆動系は二駆/四駆切り替え式で、ローレンジのトランスファーとリアのロッキングデフを備える。

エンジン同様、シャシーも走りを楽しむ物件というより、仕事のツールという性格が色濃い。ベース車と同じボディ・オン・フレーム構造で、リアサスペンションはライブアクスルとリーフスプリングの組み合わせだ。

このコンビネーションは、きついオフロードでの高い路面追従性と、1t級の積載重量を可能にする。いっぽうで、ベース車から大幅に改修されたレンジャー・ラプターのような、オンでもオフでも洗練された走りは期待できない。

それでも、GRスポーツの足回りは、ノーマル車と大きく違っている。フロントのコイルスプリングはハードになり、ステアリングのシャープなレスポンスと、やや抑えの効いたボディコントロールを生む。さらに、ダンパーは前後ともグレードアップしたモノチューブ式で、タイヤはノーマル車が舗装路向きなのに対して、ゴツい見た目のオールテレインタイプであるブリヂストン・デュエラーを履く。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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