ポルシェ・カイエン 詳細データテスト 無駄なアシストのないV8 クラス最高水準のドライバビリティ

公開 : 2024.03.09 20:25

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

カンパニーカーとしてはPHEVを選びたくなるだろうが、カイエンSは一考の価値ある仕様だ。これだけ万能性があり、キャラの濃いエンジンを積んで、8万4400ポンド(約1604万円)というのはなかなかのコスパだ。同クラスなら、BMW X5 M60iなら9万2455ポンド(約1757万円)、アウディSQ7が9万3215ポンド(約1771万円)、レンジローバー・スポーツのV8モデルは10万ポンド(約1900万円)を超えてしまう。

電動走行が必要というなら、EハイブリッドかS Eハイブリッドという選択肢もある。ただし、いずれもベースはV6だ。燃費面を重視する場合もV6ハイブリッドがおすすめだ。カイエンSのツーリング燃費は10.2km/Lで、970km近く走れる計算だが、高速道路を降りたら大喰らいっぷりを発揮。テスト時の平均は8.1km/L、ちょっと飛ばせば平気でその半分くらいまで落ちてしまう。

そうは見えないかもしれないが、ボディパネルはほぼ刷新。よりフラットなボンネットとアーチを強めたフロントフェンダーの組み合わせで、視覚的なワイド感を増しているという。
そうは見えないかもしれないが、ボディパネルはほぼ刷新。よりフラットなボンネットとアーチを強めたフロントフェンダーの組み合わせで、視覚的なワイド感を増しているという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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