MGF:どんな速度域でも楽しいスポーツカー

1980年代に、ローバー・グループはMGブランドを活用すべく、Kシリーズ・エンジンとローバー・メトロのサスペンションを流用した、MGFというミドシップ・ロードスターの開発へ踏み切った。MGBの生産終了後に、市場の要望へ応えるために。

しかし発売は1995年で、BMWがローバーを買収した直後。ところが5年後にBMWはローバーを手放し、MGローバーとして復活。技術的にアップデートされ、MG TFとして再生産されている。

MGF(1995〜2002年/英国仕様)
MGF(1995〜2002年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

スタイリングは、現在はジャガーランドローバーでデザイン部門を取り仕切る、ジェリー・マクガバン氏。見た目は悪くなく、一時はマツダMX-5(ロードスター)に並ぶ販売を記録している。反面、製造品質とブラントとしての不安定さが、足を引っ張った。

現在でもルックスは良い。お手頃な価格で購入できる、実用的な2シーター・ロードスターといえる。マット・ソーンダースは、MX-5の楽しさには及ばないと指摘するが、反応の良さと敏捷性、ハイドラガス・システムの乗り心地を褒める。

「気軽に乗れるスポーツカーですね。ホイールスピンを誘う必要性を感じず、どんな速度域でも楽しいですよ」

この続きは、輝かしい1990年代のクルマ(3)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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