スマート#1 詳細データテスト 個性的なデザイン 優れた静粛性 シャシーと操縦系は改善の余地あり

公開 : 2023.11.18 20:25  更新 : 2023.12.12 20:37

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

乗り心地は特別硬くも柔らかくもないし、制御はタイトでもルーズでもない。もう少しダンピングのクオリティが高ければ、乗り心地のいいクルマになるはずだ。

現状はおおむね穏やかだが、やや減衰が足りず、アンジュレーションではボディの動きが多少大きすぎるときがある。タイヤも、路面の穴を踏むとぎこちなくガタガタした走りとなる。

静粛性は高いが、乗り心地に際立ったところはない。シートは、形状や調整機能に改善の余地ありだ。
静粛性は高いが、乗り心地に際立ったところはない。シートは、形状や調整機能に改善の余地ありだ。    JACK HARRISON

全体的にみれば、洗練性はかなり高いのだが、その要因は優秀な遮音性だ。113km/h巡航時の室内騒音は、このクラスではとくに静かだったクプラボーンと同レベルだ。それでも、テスト時には雨が降っていたので、窓に打ちつける雨粒が1dBAくらいはうるさくしていたかもしれない。

それに比べて、シートはあまりよくない。エントリーグレードのプロでも電動調整は備わるが、座面は短くチルト機構がないので、背が高いテスターは落ち着かなかったようだ。

また、背もたれはフラットすぎて、ランバーサポートも十分ではない。調整式ではあるが、かなり大雑把で、シート形状そのものの不足を埋め合わせるほどではない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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