スマート#1 詳細データテスト 個性的なデザイン 優れた静粛性 シャシーと操縦系は改善の余地あり

公開 : 2023.11.18 20:25

購入と維持 ★★★★★★★★★☆

価格は、3万5950ポンド(約672万円)のプロ+からで、テストしたプレミアム仕様は3万8950ポンド(約728万円)。オプションは1262ポンド(約24万円)の牽引パッケージのみで、有償ボディカラーの設定もない。プロ+でも装備は充実していて、同じような内容でこれより安いのはMG4くらいだ。

それでも、残価予想が芳しくないので、クプラキアに比べてコストパフォーマンスは劣る。とはいえ、プジョーe−2008やジープ・アヴェンジャーよりは上で、マイナーチェンジしたテスラモデル3ともいい勝負だ。

残価予想は適度なものだが、クプラには勝てない。さらに、安価なMGにもコスパで敵わない。
残価予想は適度なものだが、クプラには勝てない。さらに、安価なMGにもコスパで敵わない。

充電性能は上々。ピークの150kWからは早々に低下するものの、平均すればルノーメガーヌE−テックを上回り、MG4に追随できる。クプラ・ボーンやキア・ニロEVの充電速度は測っていないが、少なくとも72kWというキアには余裕で勝てるはずだ。

テスト車の電費計は不安定で、かなり効率的な数字とその正反対との間を行ったり来たりしたが、いつものルートを走った後の充電量から割り出した平均電費は6.0km/kWh。クプラやキアには及ばないが、それでも勝負になるレベルだ。現実的な航続距離は、369kmとなる計算だ。

スマートの保証は全車3年。バッテリーは8年もしくは20万kmで新車時の70%という保証内容となっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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