2025年版 自動車専門誌が選ぶ「最高の電動SUV」10選 得意分野の異なる個性派モデル

公開 : 2025.09.18 12:05

10. ルノー・セニックEテック

デザイン:7点 インテリア:8点 パフォーマンス:7点 乗り心地&ハンドリング:7点 コスト:8点
長所:効率的な駆動系と大型バッテリーが優れた航続距離を実現 内外装ともにスタイリッシュ グーグルマップが自然に統合されている
短所:ファミリーカーとしては視界が悪い 乗り心地は平凡 長期テストでマルチメディア・システムの不具合が判明
最大の特徴:実走行での航続距離

90年代後半の質素なMPV時代から、セニックは大きく進化した。

10. ルノー・セニックEテック
10. ルノー・セニックEテック

「すっきりとしたハンドリング、十分な性能、そして何よりも実走行で480km以上を走破できる能力が、この価格帯で存在感を示している」
――リチャード・レーン、ロードテスト副編集長

今日のルノーの中型電動SUVは、以前のモデルよりもさらにファミリーカーに適していると言えるかもしれない。

特に注目すべきはインテリアだ。車内各所に収納スペースが巧みに配置され、主要操作はすべて物理ボタンで行える。オプションのパノラミックルーフも非常によく、自然光をたっぷりと取り込み、空間の広がりを感じさせる。

英国での発売当初はバッテリーが複数用意されていたが、現在はロングレンジ仕様のみ。WLTPサイクルで610kmの航続距離を謳っており、AUTOCAR英国編集部による寒冷地でのテスト結果から推測すると、ほとんどの環境で480kmは走行できるだろう。

最高の電動SUVを選ぶには?

最高の電動SUVを選ぶには、航続距離や価格以外の要素も考慮する必要がある。

重要なポイントは以下の通りだ。

航続距離

航続距離や充電速度はEVの実用性を大きく左右する。
航続距離や充電速度はEVの実用性を大きく左右する。

航続距離はどんなEVにおいても重要で、そのモデルの実用性を決定づけることになる。

・自身の走行距離を現実的に見積もろう。航続距離320kmのEVであれば、一般的な状況ではおおむね十分に対応できる。頻繁に長距離移動するなら、480km以上のモデルを検討するといいだろう。
・主に短距離の街乗りに使うなら、320km程度の航続距離があれば十分だろう。こうしたモデルは一般的に安価で効率性も高い。

充電速度

SUVはバッテリー容量が大きい傾向があるため、急速充電機能が重要だ。

・家庭用充電:夜間充電用に7kWまたは11kWのAC充電に対応しているか確認しよう。
・急速充電:30分で航続距離を大幅に回復できる150kW以上のDC充電に対応しているか確認しよう。
・充電ネットワーク:頻繁に長距離移動する場合は、テスラのスーパーチャージャーなど、広く展開している急速充電ネットワークとの互換性を確認しよう。

車内空間

SUVでは、車内の広さや形状も重要視される。

・広さ:全シートのヘッドルーム(頭上空間)とレッグルーム(足元空間)を確認しよう。特に後部座席は重要だ。
・トランク容量:標準時の容量と、シートを折りたたんだ状態の容量を確認しよう。フロントトランク(フランク)を備えたSUVもある。
・シートレイアウト:7人乗りが必要な場合、3列目シートが大人向けか、子供向けかを確認しよう。

機能

クルマは人生で2番目に高額な買い物と言われている。おそらく何年も所有することになるだろう。

・ナビゲーション:充電スポットのルート計画機能を備えているかどうかを確認しよう。
・運転支援:アダプティブクルーズコントロール、車線維持支援、ブラインドスポットモニター、360度カメラなどの機能があれば、大型SUVの運転もしやすい。
・エンターテインメント:後部座席用の充電ポートやスクリーンは、家族連れにとって便利だ。

電動SUVが本当に必要か迷ったら

電動SUVが適しているのは以下のケースだ。

・乗員スペースと荷室スペースが大量に必要。
・大人数で移動することが多い。
・ある程度のオフロード性能が欲しい。

主に1人で通勤する場合や都市部に住んでいる場合は、小型の電動ハッチバックやクロスオーバーの方が扱いやすく、維持費も安く抑えられるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    役職:常勤ライター
    クルマだけでなく、英国のローカルニュースとスポーツ報道にも精通し、これまで出版物、ラジオ、テレビなど、さまざまなコンテンツ制作に携わってきた。フォルクスワーゲン・グループの小売業者向けニュースウェブサイトの編集者を務めた後、2021年にAUTOCARに移籍。現在はその幅広い経験と知識を活かし、主にニュース執筆やSNSの運営を担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、トヨタGRヤリス。一番のお気に入りだ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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