抜群のハンドリング性能を誇ったFF車 20選 中古でも楽める珠玉の前輪駆動モデル

公開 : 2025.11.02 11:45

セアトレオンST280

『レオンST280』では、油圧クラッチを介して最大100%のトルクをコーナー外側の車輪に伝達できる電子制御デフを採用している。このため、コーナー出口でアクセルを踏み込んでもトルクステアがほとんど発生しない。ST280は標準のレオンSより25mm低い車高で路面を捉えるが、オプションのパフォーマンス・パック(サーキット走行向け)も用意されていた。このパックでは2.1kg軽量のアルミホイールとミシュラン・スポーツ・カップ2タイヤが組み合わされる。

セアト・レオンST280
セアト・レオンST280

フォード・モンデオST200

フォードは高性能ファミリーカー『モンデオST200』を生み出した。鋭く反応の良いステアリングと、丹念に調整された堅牢なサスペンションを備え、低重心設計によりコーナーを力強く駆け抜けつつ、快適な乗り心地を実現している。17インチホイールはホイールアーチにぴったりとハマり、アグレッシブなスタンスを形作っている。2.5L V6エンジンはST24モデルから改良され、出力は169psから205psに向上した。

フォード・モンデオST200
フォード・モンデオST200

ホンダシビック・タイプR

ホンダの『シビック・タイプR』はどのモデルを選んでも間違いない。すべてが卓越したハンドリングと信頼性を誇っているが、ここではFK2モデルに焦点を当てる。ホンダは310psのパワーを前輪にしっかり伝えるため、アダプティブダンピング機能を備えたデュアルアクシス式フロントサスペンションを採用。コンチネンタル製タイヤを履く19インチホイールによりグリップを確保した。+RモードではESPを抑制し、サスペンションが30%硬くなる。滑らかな舗装路ではドライバーを魅了する体験をもたらしてくれる。

ホンダ・シビック・タイプR
ホンダ・シビック・タイプR

アバルト695ビポスト

アバルトは『695』を世界最小のスーパーカーと称した。Hパターンのドッグリング式トランスミッションとリミテッドスリップデフの組み合わせが用意され、4点式ハーネス付きレーシングシート、ロールケージ、190psのターボチャージャー付き1.4Lエンジンが標準装備されていた。後部座席を撤去し、ラリー仕様のネットを追加することで38kgの軽量化を実現。これにより695の車両重量は997kgとなった。また、左右を5mmオフセットしてトレッド幅を10mm拡大し、グッドイヤーのイーグルF1タイヤを装着することで圧倒的なグリップを実現している。

アバルト695ビポスト
アバルト695ビポスト

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(初代)

同時代の上級の後輪駆動車と比較しても、初代『ゴルフGTI』は確かな安定性と力強いスタンスを誇っていた。通常仕様のゴルフに対し、GTIでは硬めのサスペンション(ダンパーとスプリング両方)とアンチロールバーを採用し、車高も20mm低く設定した。アシスト機構なしのステアリングは十分なフィードバックを提供し、840kgの軽量ボディと110psの出力により、郊外道路を爽快に駆け抜けることができる。その後、紆余曲折はあったものの、この初代GTIが今日まで続く伝説の始まりとなった。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(初代)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(初代)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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