ベントレー・フライングスパー 詳細データテスト 快適さと走りの好バランス 電池容量と静粛性に難が

公開 : 2022.08.27 20:25  更新 : 2022.09.06 05:17

ベントレーのPHEV第2弾は、動力性能も洗練度も高いパワートレインを積み、乗り心地はW12より快適志向ながら、モードによっては熱い走りを見せてくれます。ただし、EV航続距離と22インチタイヤのNVHは難点です。

はじめに

ベントレーは必ずしも、最先端をいく自動車メーカーではなかった。しかし、それもいまや変化の兆しが見られている。

20年ほど前、フォルクスワーゲンBMWの熾烈な所有権争いを経て、アルナージのエンジンはより先進的な4.4LのBMW製V8から、6.75Lの旧式なV8OHVへ完全移行した。これにより速さは多少アップしたが、燃費性能はかなりダウンしている。

テスト車:ベントレー・フライングスパー・ハイブリッド・マリナー
テスト車:ベントレー・フライングスパー・ハイブリッド・マリナー    WILL WILLIAMS

それでも好意的な反応を得て、ビジネスを立て直し、多くの顧客から支持を取り付けた。コンチネンタル系のドライバーは全般的に、われわれの評価に反して、V8よりW12エンジンを選んでいる。エンジンに関する限り、ベントレーの顧客は大きいほどいいと考える傾向にあるようだ。

とはいえ、その好みに応え続けることができる未来がそう長くは残されていない今、ベントレーは電動化へとはっきり舵を切りはじめている。クルー工場は2019年にカーボンニュートラル認証を受け、ブランド初のPHEVであるベンテイガ・ハイブリッドを世に送り出している。

ベントレー初のバッテリーEV(BEV)が登場する2026年までには、全モデルにPHEV仕様が設定されているだろう。今回のテスト車であるフライングスパー・ハイブリッドは、ベントレーによれば、ユーザーが期待するようなダイナミクスのクオリティに妥協を強いるものではないという。是非とも試してみようではないか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ウィル・ウイリアムズ

    Will Williams

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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