【詳細データテスト】ルノー5 魅せるデザイン クラス最高の乗り心地とハンドリング 課題は高速電費

公開 : 2025.04.05 20:25

走り ★★★★★★★★☆☆

ほかのセグメントでは馬力競争が過熱しているが、小型ハッチバックは比較的平和だ。150psの5は、ステランティスのシトロエンe−C3やフィアット・パンダと、218psのミニ・クーパーSEとの中間といった位置付けだ。0−10km/hタイムは8.2秒で、公称値より0.3秒遅いが、まずまず速いほうだ。

もっとハイパフォーマンスを望むなら、アルピーヌ版が176psと218psの2仕様を用意している。ちなみに、バッテリー残量が少なくなった際のパフォーマンス低下はわずかだ。

パワーは控えめだが、まずまずの速さを見せる。ブレーキは制動力はもとより、ペダルフィールもすばらしい。
パワーは控えめだが、まずまずの速さを見せる。ブレーキは制動力はもとより、ペダルフィールもすばらしい。    JOHN BRADSHAW

ドライバビリティは、じつによく問題を解消している。スロットルペダルは、スタンダードなモードではいい感じにプログレッシブ。ソフトウェアが不自然にパワーを制限している感覚はなく、キックダウンスイッチはあるが、そこまで踏まなくてもフルに性能を引き出せる。

回生ブレーキの選択肢は多くない。Dレンジでスロットルを抜いたときの効きはかなり軽く、Bレンジではかなり強い。ドライバーが、完全なコースティングやワンペダル運転を選べないのが惜しいところだ。

ブレーキのシステムと制動力は、特に賞賛したい。制動距離はドライでもウェットでも、キアEV3と同等で、クプラボーンVZをわずかに凌ぐ。それよりすばらしいのがペダルフィールだ。バイワイヤシステムを使うが、踏み応えは硬く安心感があって、ほかのEVやPHEVよりずっと調整しやすい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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