【詳細データテスト】ルノー5 魅せるデザイン クラス最高の乗り心地とハンドリング 課題は高速電費
公開 : 2025.04.05 20:25
操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
このクラスには、すでにミニ・クーパーという魅力的な存在がいる。鋭く、コントロールしやすく、元気なハンドリングの持ち主だ。しかし、過敏な乗り心地はちょっと疲れるかもしれないもので、リラックス志向のクルマとはだいぶ開きがある。ルノー5は、古き良きフランス車的な活発さを備え、そこのギャップにぴたりとハマる。
印象的なのは、心地よくなめらかなハンドリングだ。1461kgというウェイトは、ミニよりかなり軽く、サスペンションはこの重量に見合ったもの。短いホイールベースにワイドトレッド、このコストで目一杯作り込まれたサスペンションは、大きなバンプをシンプルに吸収し、上下方向のボディコントロールはミニよりはるかにいい。

ロールはするが、徐々に発生する自然なもので、コーナーにどう臨むかをより明確にする。燃費志向のタイヤを履いていてさえ、ドライでもウェットでもグリップに不足はない。フロントはガッチリ路面に食いつき、コーナリング中にスロットルを抜けば気持ちよく曲がる。
曲がりくねった道を楽しむなら、トラクションコントロールはオフモードにするといい。ちょっと早めに介入し、パワーをかなり制限してしまう制御だからだ。完全にオフにはできず、スタビリティコントロールは常に残るので、手に負えなくなることはない。
トラクションコントロールオフモードは、スポーツモード的に機能するが、この点ではミニ・クーパーEのほうがよくできている。システムの作動は素早く、ブレーキによるトルクベクタリングも備えているからだ。
ロックトゥロックは2.5回転と、とくにクイックではない。しかしながら、最近のルノーがそうであるように、直進では反応しやすく、切ったときがその逆という奇妙な特性はある。そのフィーリングをアジリティと感じて楽しむテスターもいたが、スムースな入力を妨げるという声もあった。
そうはいっても、メガーヌやオーストラルほどそのクセは強くなく、それらより車高は低い。比較的強めのセルフセンタリングが、ステアリングを多少重くしているが、フィードバックはそれほど大きくはない。
走りだけを取れば、ミニのほうが一枚上手だ。ステアリングの手触りや、スロットルでのアジャスト性で一歩譲る。それでも、この5はクラスを超えたクルマだ。それも、アルピーヌ版ではなくスタンダードな仕様だということを考慮すれば、みごとと言うほかない。





















