2025年版 自動車専門誌が選ぶ、最高のスポーツカー 10選 速さと楽しさを追求したクルマ

公開 : 2025.06.08 18:25

4. BMW M2

デザイン:8点 インテリア:8点 パフォーマンス:9点 乗り心地とハンドリング:9点 コスト:8点
長所:『S58』エンジンはデチューンされた状態でも輝かしい 心を掴むトランスミッション 以前のM2とは異なり、シャシーは軽快さと快適さを兼ね備えている
短所:サイズと重量の増加がハンドリングに顕著に表れる ホットロッドの変種のようなスタイリング エントリー価格が2万ポンド(約385万円)ほど上昇した
最大の特徴:ハードコアなドライビング性能

BMWのM部門が、M4のメカニズムを小型ボディにまとめ、さらに熱狂的なファン向けにチューニングした結果、2代目M2が誕生した。

4. BMW M2
4. BMW M2

「現在のM2は、2023年におけるBMW M部門が目指す方向性を体現した、はるかに優れたモデルとなっている。そして皮肉なことに、昔ながらの魅力も残っているため、その点が最も気に入る人もいるだろう」
――マット・ソーンダース、ロードテスト編集者

これまでのモデルに漂っていた技術的な劣等感は完全に払拭され、その結果としてサイズアップ(そじて重量も増加)したが、現代のMモデルとしての完成度、成熟度を高め、非常に高い評価を獲得している。

M2は、M4と同じ『S58』ターボチャージャー付き直列6気筒エンジンのデチューン版を採用し、最高出力460psを後輪に伝達する。6速マニュアル・トランスミッションのオプションも用意されている。

上位のMモデルよりもシンプルで、より純粋なドライバーズカーであり、BMWの大型セダンやステーションワゴンにはない、ちょうどいいサイズ感を維持している。

速さ、バランス、運転の楽しさとコミュニケーション能力に優れ、しかも多用途で有能、ドライバーの好みに瞬時に合わせられるという、現代のMモデルのユニークな特徴をすべて備えている。

5. ポルシェ718ボクスター/ケイマン

デザイン:9点 インテリア:8点 パフォーマンス:9点 乗り心地とハンドリング:9点 コスト:9点
長所:抜群の速さ 乗り心地とハンドリングの融合 寛容なESC
短所:他のモデルの方が「色気」がある タイヤの騒音がやや大きい 4気筒エンジンは少し荒々しい
最大の特徴:日常での運転性能

このランキングの上位には2台のポルシェがランクインしている。それも当然の結果だろう。同社は、センセーショナルなスポーツカーを作ることに関しては、まさ一流である。

5. ポルシェ718ボクスター/ケイマン
5. ポルシェ718ボクスター/ケイマン

「718ケイマンS は、現在販売されているスポーツクーペの中で群を抜いて完成度が高く、ハンドリングの面でも、クランクの回転方式に関する若干の不安を容易に克服するほどの才能に溢れている」
――マット・ソーンダース、ロードテスト編集者

5万ポンド(約965万円)未満の手頃な4気筒モデルは、予算の限られた購入者に引き続き人気があり、一方のハイエンドモデルはスポーツカークラスの上位に君臨している。

ライバルに囲まれた厳しい状況の中でも、決して苦戦しているわけではない。ポルシェの最新型自然吸気6気筒ボクサーエンジンは、ロードスポーツカーに求められる最高のパフォーマンスを発揮するだけでなく、滑らかさとレスポンス、8000rpmの高回転を誇り、まさに至福の走りを実現している。

6速MT車は、ギア比が異様に長く感じられるため、パドルシフトの7速AT車に比べて運転の楽しさがやや劣るが、純粋な操作感では3ペダルが圧倒的に優れている。

718の美しくバランスの取れたハンドリング、驚くほどリニアなハンドリングレスポンス、高速域での巧みなボディコントロールは、広く称賛されている。他車では走れないような過酷なクロスカントリーロードでも、完璧に走り抜けることができる。

シャシーが処理しきれないほどのパワーを備えたスポーツカー、あるいは走りに癖や欠点があり、「運転」の難易度が高いスポーツカーを好む人にとっては、GTS 4.0が理想的だろう。

このリストに掲載されている他のクルマと比較すると、少し色気が欠けているかもしれない。しかし、扱いやすさは一流であり、乗り心地やハンドリングと同じくパワートレインも絶品と言えるだろう。要約すると、718はこれまで生産された中で最も完成度の高いドライバーズカーの1つである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    役職:常勤ライター
    クルマだけでなく、英国のローカルニュースとスポーツ報道にも精通し、これまで出版物、ラジオ、テレビなど、さまざまなコンテンツ制作に携わってきた。フォルクスワーゲン・グループの小売業者向けニュースウェブサイトの編集者を務めた後、2021年にAUTOCARに移籍。現在はその幅広い経験と知識を活かし、主にニュース執筆やSNSの運営を担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、トヨタGRヤリス。一番のお気に入りだ。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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